3.確定拠出年金制度(DC)企業型
確定拠出年金制度(企業型)は、確定拠出年金法を根拠と企業年金制度です。「Defined Contribution Plan」からDCと呼ばれたり、米国由来の名残で日本版401kとも呼ばれます。
企業が拠出する掛金額はあらかじめ「確定」されていますが、将来受け取る年金の額は、加入者が自己責任のもと年金資産の運用を行い、老齢期にその運用成果にもとづいた給付を受け取ります。
- 企業型の場合、企業は労使合意のもと「企業型年金規約」を定め、厚生労働大臣の承認を受けます。
- 掛金は企業から従業員を対象に拠出され、「資産管理機関」で企業の財産から分離・保全されます。支払った掛金は全額損金算入され、税制的なメリットを受けながら効率的に積立てることが可能です。
- 給付設計は自由度が低く、原則として60歳以降でなければ退職金を受取ることができません。
自己都合や懲戒等の退職事由により退職金の減額をすることもできません。 - 企業にとっては、確定給付企業年金(DB)のように資産運用の責任を負う必要が無いので、年金資産の積立不足を排除することができます。
- 会社が拠出した掛金については、原則加入者の資産となり、業績悪化などを理由に給付減額の影響を受けないという面では、確定給付企業年金(DB)と比較して、より受給権の保全性が高いといえます。
- 会社は運営管理機関(運用関連(主に銀行や生命保険会社・証券会社)、記録関連)、資産管理機関(主に信託銀行)を選任し、DC業務について契約をします。
- 会社は加入者ひとりひとりの掛金について定期的に資産管理機関に入金します。
- 資産管理機関は自らの資産と分別管理しなければならないため、金融機関の破綻からも資産を保全する体制が整います。
- 加入者は、運用商品ラインアップから各人が運用商品を選択して 運営管理機関に対して運用の指図(商品選択や購入割合を決めて売買注文を行うこと)を行います。
- 加入者が適切な運用スキルを身につけられるよう、企業に継続的な投資教育を実施する責務があります。
- 受け取りに関しては加入者が受給するタイミングで選択が可能です。
一時金で受け取った場合は退職金所得控除の対象となります。年金として一定額を定期的に受け取ることもでき、公的年金等控除の対象となります。一時金と年金を併用して受け取ることも可能です。 - 現在は特別法人税が凍結されているので、運用益は非課税です。
マッチング拠出とは
会社が拠出する掛金に加えて、加入者本人が掛金を上乗せして拠出するしくみを「マッチング拠出」といいます。(マッチング拠出制度を採用していることが前提)
要件1:加入者掛金累計が、事業主掛金累計を超えないこと
要件2:事業主掛金累計と加入者掛金累計の合計額が掛金拠出限度額累計を超えないこと
他の企業年金がある場合:年額33万円 ない場合:年額66万円
加入者が拠出する掛金は全額が所得控除(小規模企業共済等掛金控除)の対象になるため、税制優遇を受けながら老後資金の準備ができます。
選択制確定拠出年金(選択制DC)とは
退職金または給与等を原資として、DCに拠出するか、前払い(または従来通り給与等)で受け取るか、従業員が自ら選択できる制度です。
①退職金を給与等として前払いで受け取るかDCに拠出するか選択するタイプ
②給与等の一部を「ライフプラン選択金」等として再定義し、従来通り給与等として 受け取るか、DCに拠出するか選択するタイプがありますが、近年は②を指すことが多いです。
②について DC拠出を選択した場合は 選択金部分が給与としてみなされないため、企業にとっては、新たな費用を負担することなく(社会保険料負担の軽減で制度維持コストを捻出)企業年金制度を導入できる点も大きな魅力となっていますが、従業員の標準報酬額が減少することとなりますので十分な説明が必要です。